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2016-08-22 00:00:00
空室だらけの投資物件が、ついに売れた日。





















いつもありがとうございます。
クリスティの近藤正文です。

過去の話になりますが、空室だらけの物件がついに売れた日の話です。
クリスティの社員のなかでは「鋼鉄の牙城が、ついに落ちた日」と言われています。
(ちなみに写真左は名古屋城です。金のシャチホコにあやかりに行って来ました。)

ところで、どんな物件が売れてしまったかと言うと私が
以前に売り依頼をもらった「仙台市2250万円・満室利回り21.92%」のアパートです。

この物件は常にアクセスランキングの上位の物件で
当時、足利市の利回り40%の物件と合わせて「クリスティの2大反響物件」でした。

しかし「足利市・利回り40%」の物件は先に大阪のお客様が買って終了していたので
仙台の物件が最後の「鋼鉄の牙城」と言われていました。

このアパートの売主さんは熊本県の30代の女性です。
遠方なので、もちろん現地を見てません。

買った時は空き部屋だらけで、2棟合わせて20世帯
ありますが入居していたのは8室です。そのなかで4室が滞納していました。
また2棟のうち1棟は建物が傾いています。そして下水が他人の敷地を通っています。

率直な私の感想として「これだけ問題があるのによく買ったよなー」と言う感じです。
私に売り依頼が来た時も、満室利回りこそ20%を超えていましたが
「こんなの売れるわけない」と思っていました。

しかし「半年間家賃半額キャンペーン」をやったり、
新聞社に売りこんで記事に載せてもらったりしました。

色々やったおかげで最終的には20室中19室入居となりましたが、
ここまで埋まったのは、この物件を管理していた売主さんの
お母さんによるものが大きいです。

もともとこのアパートに住んでいる人達は、失業などをして本当に
お金に困っている人ばかりで、さらに親や兄弟などとも音信不通で
誰ひとり相談相手がいません。

そんな中、このお母さんは色々相談にのったり、生活保護の手続きを
一緒にやってあげたり、クリスマスにはみんなにプレゼントを配ったりなど、
家族みたいな付き合い方をしていました。

そんな事もあり、何人か滞納はありましたが入居者全員と
よく連絡を取り合っていました。また一人一人の小さい頃から現在までの
いきさつをよく知っていたので、入居者にとっては
本物のお母さんのような存在だった思います。

このお母さんが住んでいるのはアパートから20kmぐらい離れた
多賀城市ですが、歩いて相談をしに来る入居者もいたそうです。

また罰金が払えず刑務所で80日間労働に連れて行かれた人もいましたが
出所後すぐに「心配かけてすいませんでした。」と連絡があったそうです。

そんなエピソードもあり契約決済が終わった後、
お母さんは「ちょっと寂しいけど、あのアパートは私にとってはいい思い出」と
言っていました。そして仙台駅のホームで私に力強く握手して帰っていきました。

私もアパートが無事売れたのは嬉しいですが、
ちょっと寂しい気持ちなった事を覚えています。
ちなみに買ったのは沖縄の人です。