(株)東京カンテイはこのほど、中古マンション資産倍率「マンションPBR」ランキングを発表した。
「マンションPBR」とは、一定期間内に分譲されたマンションの資産価値が新築分譲時の何倍になっているかを示した数値。「マンションPBR」=10年(2003~12年)平均中古マンション価格/10年平均新築マンション価格で表わし、この値が1を上回っていれば、新築価格が相対的に割安となる。
首都圏で「マンションPBR」が最も高かったのは、東京メトロ銀座線「表参道」でPBRは1.41となった。以下、横浜高速鉄道みなとみらい線「みなとみらい」(PBR1.31)、JR山手線「品川」(同1.31)、JR山手線「田町」(同1.26)、JR京浜東北線「東神奈川」(同1.26)となった。
上位はいずれも都心に位置し、事業集積や人口集積が高いこうした場所ではマンションの利用価値が高いため、良好な水準に保たれる駅が並んだ。また、横浜市中心部の駅もランキングに入っており、東京都心に準ずる“ミニ都心”の機能を果たしていることが分かった。
一方、「マンションPBR」が最も低かったのは、JR外房線「土気」(同0.60)。以下、つくばエクスプレス「柏たなか」(同0.60)、JR高崎線「吹上」(同0.62)などほとんどが郊外に位置しており、出口戦略が立てにくいエリアにある駅が並んだ。
また、小田急小田原線「百合ヶ丘」(5位、同0.66)、「町田」(8位、同0.67)のように交通利便性が良好なエリアにありながら、PBRが低調な駅もいくつか存在。これらはエリアポテンシャル以上の価格で分譲された結果、新築価格と中古価格の差が拡大したと分析している。